452人が本棚に入れています
本棚に追加
生を捨てて死を選択。
それが正しいかはわからないけど、きっとみんなのためになるはず。
あたしが仲間を傷つけるくらいなら……。
「気が変わった。気をつけて。僕、ころころと気分が変わるから。まず、生意気な口をきけなくしてあげるよ。」
ミケランジェロの手に現れる小刀。
手からは、魂力が放たれていた。
外科手術に使用するメスの形によく似ている。
奴は刃の先を、あたしの喉元にゆっくり当ててきた。
チクッとする痛み。
ミケランジェロは不気味に笑う。
こいつ……。
あたしは奴に罵声を浴びようと声を出した。
いや……。おかしい。
喉から声を出そうとしても、何も出てこない。
ミケランジェロの刃の先には、小さく魂力が宿っている。
「うん。うん。君の声帯を奪ったよ。次は両腕だ」
順番に片腕ずつ当てられて、小さな切り傷をつけられる。
すると、次の瞬間、両腕の感覚が無くなった。
この外道が。さっさと殺せと言ってやりたい。
声は出ないけど。
あたしは、掴む胸ぐらを必死に離そうと暴れた。
だが、奴の腕はびくともしない。
最初のコメントを投稿しよう!