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渋谷和也は現れたティーポットを見て、驚きの表情を浮かべた。
さっきは見てなかったのか。
はるかを知っているなら、この能力も当然知っている。
はるかのことだから能力を隠すことなく、怪我をすれば治療をしたこともあるだろう。
「はるかの能力?」
渋谷和也はミケランジェロを見ながら呟いた。
そうだ。ミケランジェロがユキヤにはるかを殺させて、その前後のどこかでこの能力を手に入れた。
おそらくは後者。
渋谷和也にそれを知らせてやりたいが、今のあたしにはその術がない。
あたしは意識を集中させた。
せめて切り落とされた下半身を……。
駄目だ。まだ力が残っているのか、床に転がった下半身は透明に薄れている。
直後、下半身は宙に浮かび、ミケランジェロの上半身に向かって飛ぶ。
ミケランジェロは、ティーポットに入った輝く液体を振り撒いた。
それに気が付いた渋谷和也が地面から跳び、ミケランジェロとの距離を詰めた。
渋谷和也の手が、白く輝いた刃へと変化していく。
あのレベル……。ぱっと見ただけでわかる。
ミケランジェロよりも遥か格下だ。
でも、ミケランジェロは確実に渋谷和也を恐れていた。
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