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────渋谷和也─────
ミケランジェロが繰り出した三体の敵は、意外にもあっさりと倒せた。
倒せたのは光刀の助言のおかげ。
鍵となったのは相性だった。
『あいつが繰り出した敵は、全て闇に属性するものだ。私の攻撃に極端に弱いはず。レベルは高いだろうが一撃でも入れることが出来れば、相手は毒を喰らったように死ぬさ』
その助言により、俺はミケランジェロが作り出した三体の敵をなるべく静かに倒した。
レベルが高くても刀で一撃を入れることは、そう難しいことじゃなかった。
相手は光刀に触れた瞬間に、泥のように溶けていく。
次にミケランジェロ。
羽柴の胸元を掴んでいる時、狙いを定めて渾身の力で奴を切り落とした。
が、結果は失敗。
敵を真っ二つにすることには成功したものの、奴は回復系の能力を持っていた。
奴が手にしているティーポット。
それは、はるかが使っていた物を酷似していた。
『悪くはなかったぞ。さっきの君の攻撃は。たたミケランジェロが異常な能力を持っていただけさ』
地に降り立つミケランジェロから感じるのは、殺意がひしひしと伝わってくるほどの怒り。
何で、あいつがはるかと同じ能力を持っているんだ?
『回復系の能力を持っているのは私は認識していたが、予想外だったのは体を真っ二つにしても治せてしまうことだ』
「やられた分はやりかえさないとね」
ミケランジェロの笑う顔は怒りによって、狂気すら感じる。
『さて、どうするかな』
光刀はなかば諦めているかのような口調だった。
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