死亡者

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避けられることは想定内だったのか、シンバは避けられた右拳を突き出したまま、すぐに左足を構えた。 いや、あの瞳。ただ俺を殺すことだけを考えている。 シンバのほうが、肉体のレベルは俺よりも上。 次の攻撃を仕掛けるまでの動作は、俺が避ける準備を整えるよりも圧倒的な速かった。 どうする。避けきれるか? それとも受けるべきか? シンバの左足の先に灯される心力の塊。 さっきの右拳よりも量が多い。 こっちが本命か……。 凄まじい速さで繰り出される蹴り。 大丈夫。能力の発動の速さは、シンバよりも俺の方が上だ。 俺はすぐさま足下にブラックスターを発動させて、蹴りの軌道から外れるよう自分の体を押し出した。 それにより蹴りは空を切る形になったが、地面から僅かに離れた足裏は宙に浮いていることになって、シンバから見て完全な隙が出来てしまう。 大丈夫。まだ煙は俺の体についている。 隙が出来てしまったが、短いながら出来た僅かな整える時間。 命力を使い、俺は右の手の平から放った。 命力は煙を通して、離れていく神刀に伝っていく。 煙は神刀の一部だ。 少しでも俺の体に触れていれば、自由に操ることが出来る。 第二段階。弾かれて飛ばされていった神刀は、突然軌道を変えて、切っ先がシンバの方に向いた。
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