国王とレオン【第２部】

国王とレオン

客観的に見て、生身のレオンはリリルと同格かそれ以上。

これは能力抜きでの計算だから、大してあてにはならないが、機動兵器に乗ったレオンならば確実にリリルよりは上。

これはレッドキングダムも想定内だろう。

重要なのはここから。

国王の実力はほぼ未知数だった。

国王の戦闘は、わかっているだけでたったの二回。

これは五芒星の中では、群を抜いて、異常に少ない数字だと言える。

ブラックアウトの頂点に立つチームならば、幾多の修羅場を潜り抜けなければならないが、ほとんどは他の幹部で事を済ませている。

たった二回。

一度目が、クエストから抜け出すほどの力を持ったモンスターが暴れた時。

この時のことは、ブラックアウトの歴史に大きく刻まれている。

二度目が、謎の剣士が国王に直接、戦いを挑んだ時だ。

この戦いは話が大きく広がったが、謎の剣士の正体は隠されたままで、なおかつ戦いは非公表だった。

国王のデータは、国を動かせるほどの力の持ち主ということから算出しなければならなかった。

それにしても……。

正直、唖然とした。

レオンの実力は、国王には遠く及ばない。

まるで、子供と大人だ。

予想以上。こんなにも離れているものなのか？

それ以上に不思議なのは、何故ほとんど表に出てこない人間がこんなにも強いのかだ。