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─────アレックス────
体の奥底から、マグマのように煮えたぎる熱い何かが込み上げてくる。
一体、この瞬間を迎えるまでに、どれくらいの時間を費やしたことだろう。
過去に、リリルに敗戦したことなど、正直どうでもよかった。
重要なのは、自分が受けた屈辱よりも僕とレオンが前に進むことだ。
世の中とは不平等であり、心の汚れた悪が勝つことが現実。
非情になった者が、勝利を掴む。
これ、常識。
まあ、そうは言っても、リリルには大きな仕返しをしてやったのだけれども。
今、この視界に映っている光景のために……。
僕は前に進んできたんだ。
レオンが搭乗した機動兵器と戦う、レッドキングダムの王。
これまで積み上げてきた全てが、試される場と言ってもいい。
あの王に……。
あの王にさえ勝てれば……。
そう考えると、体が無意識のうちに熱くなっていた。
相手は、この領土を動かせるほどのエネルギーの持ち主。
化物じみた行動。
でも、能力の精度や技術の高さは、僕の方が上のはずだ。
緻密さが足りない。
この機動兵器を作り出すために、どれだけの技巧が詰め込められてると思ってるんだ。
レオンが搭乗している機動兵器には、他にはない特性がある。
対レッドキングダムの国王を想定して、データを追加したんだ。
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