国王とレオン

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機動兵器が構えた巨大な刀。振り降ろされると同時に、風を切り裂いて、凄まじい速さでそれが国王に襲いかかる。 刀身から放たれたそれは、一直線に空へ伸びた。 何かを察したのか、国王は心力を使わずに、初めて身を動かして攻撃を避ける。 機動兵器が構えた刀から国王が居た場所まで続く細い光の線。 避けたのは正解だ。 だが、それももうすぐ意味を無くす。 直後、光の線は、うっすらと消滅していく。 国王は、その消えゆく光の線をじっと見て観察していた。 その時には既に、再びレオンが構えた刀が振り降ろされていた。 国王は、刀から伸びていく光の線の軌道から外れる。 間を置かずに、レオンは三度目の攻撃を行った。 今度は国王に避ける時間を与えない。 国王は手の平に心力を灯して、光の線を防いだ。 光の線は、国王の手の平に飲み込まれていくかのように消滅していく。 その時間を使い、レオンは飛ぶと、一気に国王との距離を縮めた。 まるで、レオンの方が速くなったと錯覚する動き。 当たり前だ。この流れは、何十回、何百回、何千回と練習した動き。 ただ一度のために。 この動きだけを練習したのだから。 距離を詰めた機動兵器は、国王に斬りかかった。
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