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「しゃ、シャルキーさん、失……」
しかし、事態はあたしが考えていた以上にずっとやばかった。
「かく……で……す」
失格を言い渡そうとした女の首がズレて、地面に落ちる。
途端に飛び交う叫び声。
おぞましい空気が広がり、どす黒く重たい感じが体に染みわたる。
すると今度は、金網を囲っていた他の参加者たちの首が、切断されたかのように次々に落ち始めた。
「あぁあああ゛あああ!」
もうシャルキーは能力を使っていない。
「あぁあああ゛ああああぁあ゛ああ゛あああ」
辺りに飛び交う断末魔。
こいつ、何考えてんだ?
あたしは、思わず自分の首に指を当てた。
大丈夫だ。あたしの首は切れていない。
手の平は、汗でぐっしょりしていた。
そんな光景を気にする様子もなく、金網の中から出てくるシャルキー。
その時には、あたしたちを除いた全員が死んでいた。
正直、あまりに悲惨な光景でどこに視線を向けたらいいのかわからない。
「お前、何してんだよ?」
あたしは動揺を隠しながらも、シャルキーに質問をした。
「大丈夫よ。審判をしている係員も雇われたプレイヤーだから。死んだとしても、何も問題はないわ」
いや、そういう問題じゃないだろ。
マジでこいつを連れてくるんじゃなかった。
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