マニーゴッド-2

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その時、いつもとは違う小さな異変に気がつく。 連邦会議の座席は、いつも同じ場所と決まっている。 長いテーブルを囲むように配置された座席。 部屋の奥側ほど、権力を持った人間が座ることになっている。 これが変わるのは、新しい人が会議に参加する時に座席が一つずれるぐらいで、大きく移動することは滅多にない。 黒田さんの代理で出席する僕の右隣には、いつも沖田が座っていた。 薄暗い灯りで照らされた室内。 世界の王補佐が座るであろう隣の席に沖田こと藤原優のネームプレートが置かれている。 どういうことだ? あまりに急展開。 世界の王補佐の席は三つ。 その隣に、世界の王補佐直属で働く沖田。 沖田の権力が上がったからか? 僕の右隣は一体、誰なんだろう。 まだ、その座席に人は来ていない。 普通なら、席を詰めて座ることになるはずだけど。 僕はこっそりと、ネームプレートを覗いてみた。 「ん?」 見間違いかな。 目を擦ってから、もう一度ネームプレートを確認する。 な、何これ。 嘘でしょ。 体がぶるぶると震えた。オシッコ漏れるかもしれない。 な、何で。この人が……。 瞬時に頭脳をフル回転させて、必死に考えた。 沖田と入れ替わりで、世界の王補佐の直属の地位につくことになったってことか? やはり意味がわからない。 むしろ、この人が隣に座るとか会議に集中できないでしょ。 ネームプレートには、元世界の王補佐であるはずの、ミケランジェロの名前が書かれていた。
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