マニーゴッド-2

35/38
前へ
/38ページ
次へ
次第に室内にいる人間はそのネームプレートに気づき始め、段々と騒がしくなっていく。 そんな中、沖田が部屋に入ってきた。 世界の王補佐の隣に置かれた自分のネームプレートを発見すると、平然とした素振りで席につく。 僕がじっと見ていたせいだろう。 沖田は視線に気がつき、いつもの優しい微笑みを浮かべてペコリと頭を下げてきた。 思わず僕も会釈をする。 これは一体どういう状況なんだ? 沖田に訊いてみたいが……。 すると、扉からは異様な威圧感が放たれる。 視線を向けると、世界の王補佐の二人だった。 マリア様と世界の王補佐のリーダーだ。 まだミケランジェロ様はいないし、入れ替わるはずの新しい補佐もいる様子はない。 会議が始まるぞ。 僕の隣の席はまだ空いたまま。 来ないのか? 「それでは連邦会議を始めます」 いつもながら、会議を仕切る進行役が見計らいそう言った。 室内にいる人間のほとんどは、僕と同じで困惑しているだろう。 その直後、沖田が手を挙げた。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

494人が本棚に入れています
本棚に追加