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次第に室内にいる人間はそのネームプレートに気づき始め、段々と騒がしくなっていく。
そんな中、沖田が部屋に入ってきた。
世界の王補佐の隣に置かれた自分のネームプレートを発見すると、平然とした素振りで席につく。
僕がじっと見ていたせいだろう。
沖田は視線に気がつき、いつもの優しい微笑みを浮かべてペコリと頭を下げてきた。
思わず僕も会釈をする。
これは一体どういう状況なんだ?
沖田に訊いてみたいが……。
すると、扉からは異様な威圧感が放たれる。
視線を向けると、世界の王補佐の二人だった。
マリア様と世界の王補佐のリーダーだ。
まだミケランジェロ様はいないし、入れ替わるはずの新しい補佐もいる様子はない。
会議が始まるぞ。
僕の隣の席はまだ空いたまま。
来ないのか?
「それでは連邦会議を始めます」
いつもながら、会議を仕切る進行役が見計らいそう言った。
室内にいる人間のほとんどは、僕と同じで困惑しているだろう。
その直後、沖田が手を挙げた。
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