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「沖田さん。発言をどうぞ。」
沖田は椅子から立ち上がると、淡々とした口調で話し始める。
「えー、本日の会議は新しい世界の王補佐の地位につくお方は欠席とさせていただくことと、その代理を兼ねて僕が出席させていただくことを報告します。並びに元世界の王補佐であるミケランジェロの欠席についても、後程、説明させてください」
そう言うと、沖田は席に座った。
ミケランジェロ様を呼び捨てかよ。
静まり返る室内。
その沈黙を破ったのは、世界の王補佐のマリア様だった。
この場にいる人間で、手を挙げなくとも自由に発言をできるのは世界の王補佐だけだ。
「滑稽な存在だな。ミケランジェロは。わらわは腹を抱えて笑ったわ。まさか、自分が作り出した存在に地位を奪われるとわ。哀れ。減点128点。」
マリア様の笑い声が響き渡るが、進行役が慌てて口を開いた。
「マリア様……!皆さんには、これから説明をしますので」
自分が作り出した存在に、地位を奪われた?
ミケランジェロ様は、生物を用いて改造実験を行っているのは知っている。
まさか、それに地位を奪われたのか?
でも、それと関わる沖田。
ますます意味がわからない。
「それでは、今回の件について説明します」
進行役は用意していた書類を取り出す。
僕の心臓は緊張で破裂しそうだった。
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