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「あっ。はい」
俺が感じたのは、ここから数百メートルほど離れたほぼ正面の方角に建っているゼペットさんの家の向こう側からだ。
かなり遠いけど、この距離で俺が感じられるほど凄まじい命力が放たれた気がした。
マイケルは、その方角を見据えながら話し続ける。
「まだ誰か戦っているのかな。こっちと同じ敵ならジャネットとノートンは苦労しないだろうけど……。今のは……」
最後まで口にしなくても、マイケルが言おうとしたことはわかった。
今、感じた命力の持ち主はおそらくノートンさんのものだ。
一番初めにケンタウロスと戦った時に感じた命力と同じだった気がする。
方角からしてほぼ間違いないだろう。
何ていうか、上手く表せないけど嫌な命力だった……。
ガーネットが何か絡んでいるのか?
根拠はないけど、俺は何か嫌な予感みたいなものを覚えた。
空気が重くなる中、マイケルが歩き出しながら言う。
「とにかく行ってみよう。ガーネットもどこかにいるかもしれない」
俺たちは、凄まじい命力が放たれた場所に向かうことになった。
敵が襲来した時も必死で走ったが、今度は自然と足が早く進む。
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