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ドスッ!
しかし、俺様はその場から動くことはなかった。
鳴り響いた鈍い音。
その次には、背後のオオカミ二匹がドサッと音を立てて倒れるのを感じた。
俺様は、目の前の出来事を凝視した。
何が起きたんだ?
「くそ! なんだこれは!」
ビクトリアは、黒い縄の様な物でぐるぐる巻きにされていた。
その縄の先には、どこかで見たサーフボードが地面に突き刺さっている。
サーフボードから伸びた奇妙な黒い縄。
それがビクトリアを拘束しているのには、間違いはなかった。
「何が……」
垣間見た光景は、上からサーフボードが降ってきたことだけ。
俺様は茫然としながらも、空の方を見上げた。
ほぼ同じタイミングで、声が降ってくる。
「危ないところでしたね。アドモアさん」
見上げた瞬間に映った光景は、ビクトリアを拘束した光景よりも俺様を驚かせた。
屋根の上に立つ数人の人物。
声の持ち主は、死んだはずのマイケルこと仕切り屋だった。
さらに、その隣には和也こと、もやし野郎。
ホワイトマジックのガーネット。
ジャネットがいる。
どうなってんだ。
夢か?
「さあて。決着をつけようか。ビクトリア」
マイケルは、ビクトリアに厳しい目線を送った。
「いや……別のクエストのプレイヤーさん」
ビクトリアは、その言葉を放ったマイケルを唖然としながら見ていた。
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