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ビクトリアの体型は約三倍ほどに巨大化し、身に纏っていた衣服が引き裂かれて、全身が岩のようにゴツゴツとし始める。
それは人の形をした岩だった。
胸には、横並びにイビツな形をした赤、青、紫色の3つの石が光り輝いている。
「ハハハハハハハハ! これなら皆殺しも可能だ! 初めからこれを使えばよかったんだ! まさか、最後の召喚が自分の中とは思わなかった!」
人の形をした岩は、ビクトリアの元の姿は見る影かげもない。
でも、確かにビクトリアの口調と声で言葉を発した。
右足の太もも部分には、どこか見覚えのある422号と書かれた数字。
あれは……。
『凄まじい力だな。太刀打ちできる術を考えるのを諦めさせるほど圧倒的だな』
冗談言ってる場合じゃないぞ。
光刀。
『冗談ではない。あれは無理だろ。君も命力をほとんど使ったし、心力を使ったところであれに攻撃が効くとは思えない』
少し離れた場所にいるマイケルが、光刀と同じく冷静な口調で言った。
「これは計算外だな」
マイケルの手には、DIMが持たれている。
多分、咄嗟に測定をしたんだろう。
「あいつのレベル……。段々、上昇していってるよ」
ほぼ同時に頭の中でサイレンが響き渡った。
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