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「やっぱり私たちの中に、プレイヤーを殺していたプレイヤーが存在していたんです」
その言葉で、ようやく俺様は事態を少しだけ飲み込めてきた。
「だが、何で殺す必要がある?」
俺様は当初、ジャネットが快楽のためにそれを行っているんじゃないかと疑っていた。
快楽。理由はそれしか見当たらない。
同じ目的を持った仲間が、その仲間を殺すなんて自分にリスクが降りかかってくるだけだからな。
その答えをこの女はちゃんと用意していた。
「理由はあります。ビクトリアさんだけは、私たちとクリア方法の内容が違うんです。正確には、ピノキオを人間にすることは同じかもしれませんが、その方法が異なるんです」
「方法?」
ガーネットは頷いてから続ける。
「おそらく他のプレイヤーを全員抹殺すれば、ピノキオは人間になる。ビクトリアさんだけは、そう言われているはずです」
俺様はビクトリアを見た。
ビクトリアは、黙ってガーネットを見ている。
ガーネットはさらに続けた。
「私は初め、敵を倒した数だけプレイヤーの誰かが殺されるのかと考えたので、だからこそ、そこにクリアの糸口があるのかと思って必死に法則を考えました。でも、それは間違いだった。本当は法則なんて何もなかった。ビクトリアさんは、あたかも敵と戦えば誰かが殺されると思いこませて、一人ずつ殺していったんです」
ビクトリアは、黒い縄から逃れようと体をよじらせて暴れ始めた。
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