犯行の理由

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「それでもまだ確信は得られない。だからこそ、犯人を見破らなきゃいけない前提で、確信的な証拠を得るために私たちを死んだと思わせたんです」 そうだ。これまでの話はこの女の妄想だと言い逃れすることが出来るが、さっきのビクトリアの反応は言い逃れすることが出来ない。 俺様を出しにしたことは許せねえが、この際、仕方ない。 そう言えば……。 「ジャネットは、何でビクトリアの犯行だってわからなかったんだ?」 俺様の次なる疑問に、ジャネットが答えた。 「あまり答えたくはないんだが……。弱点を教えることになるからな……。まあ、いいだろう」 涼しげな雰囲気でジャネットは話し続ける。 「確かに、数百メートル先までの体内エネルギーを感知することが可能だが、私はおおよその位置しか把握することができない。そこに命力があるかないかだけだ。つまり、宿舎内に新しい敵が侵入してくれば気づけるが、そこで何をしているかはわからない」 なるほど……。俺様が想像していたよりは、精細に欠ける能力なのか……。 身の回りに誰がいるかはだいたい把握できるが、動きまではわからないってことだろう。 すると、ガーネットは追い討ちをかけるようにビクトリアに言った。 「おそらく……ビクトリアさんが隠れて人を殺していたのは、そっちのクエストクリアの条件に入っているんだと思います。例えば、殺す際に他のプレイヤーにバレてはならないとか……。そろそろ話してくれませんか?」 全員の視線がビクトリアに集まる。 その場に居る全員が、ビクトリアの口から放たれる言葉を待っていた。
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