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何か作戦があるのか……?
対峙するジャネットとビクトリア。
そろそろ動いて、自分で何か出来ることをしないと……。
未だにビクトリアは、戦闘開始から一歩も動いていない。
「ハハハハハ! 拳を何発か打ち込んだから、本当は立っているのも精一杯なはずだ!」
ビクトリアはジャネットを指差しながら、また笑った。
ビクトリアの拳は、岩で出来ている。
あんなので殴られたら、多分、俺なら一溜まりもない。
ビクトリアの言葉通り、ジャネットの足元は少しふらついて定まっていないようだった。
「よく喋る奴だ……」
冷たい声でジャネットは言葉を放つ。
すると、その瞬間に妙な違和感を覚えた。
ビクトリアの岩で作られた関節と関節の隙間から、未だにジャネットの黒い命力が僅かに漂っている。
もしかして……。
俺は、ジャネットが巨大な熊を倒した時のことを思い出した。
ビクトリアの身体が大きく歪み始める。
その時、ビクトリアも自分の身体に起きている異変に気づいたようだった。
「な、何だ?」
ボコボコと凹凸ができて、まるで生き物が中で暴れているかのように波を打つビクトリアの身体。
「散れ」
ジャネットの声と共に、ビクトリアの身体が破裂した。
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