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辺りに見当たらなくなった天草総長。
呼んできたガーネットは、遠く空の方を見上げながら口を開いた。
「多分、何か急用ができたんだと思います」
さっきまでは、戦闘によって乱れていた髪も、今はちゃんと整い、元のポニーテールに戻っている。
「急用か……」
そう言えば、最初の頃に10万取られた時も急用が出来たとか言っていたような気がする。
二人でしばらく外の景色を眺めていると、宿舎の方からジャネットが歩いてきて話しかけてきた。
「天草は行ったのか?」
誰も寄せ付けない冷涼な雰囲気を放っているジャネットが、人の名前を呼ぶことに何だか違和感を覚えた。
そう言えば、天草総長とジャネットは世界の王補佐を追うために手を組んでるんだよな?
ジャネットは人と手を組むような雰囲気ではないが、そのパートナーが天草総長であることが何だか面白くも感じる。
「はい」
俺が答えると、ジャネットはうんざりと言った感じの表情を浮かべた。
すると、今度はガーネットが質問をする。
「ジャネットさんと天草様は、いつ頃からの知り合いなんですか?」
「新撰組が崩壊してから、しばらくしてからだ」
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