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「おいおい! あんた、何考えてんだよ! 目を隠しながら戦うなんて異常だろ!」
折れた金棒を持った体のごつい男が、驚きながら叫んでいます。
「い、いや違いま……」
「そうですよ! 天草総長! いくらなんでも無理です!」
おかず君も同様に、困惑しながら大声を出した。
違うのに。
ジャネットさん、ガーネットさん、何故、説明してくれないのですか……。
「なめやがって」
敵は私を見ながら、さらに怒りを増しているような感じでした。
おっと。
全身から放出させた黒い命力。
私は、それを抑えるように努力をした。
まだ暴れるのには、少し早いです。
敵が再び私に向かって、飛びかかってくる。
今度は受けて立ちましょう。
敵の右手の平に灯された命力は、再び細かな石が構成されて針の形となっていく。
距離を詰め終えた敵は、私にそれをぶつけてこようとした。
遅い……。
私は、殴るように放ってきたその右手をしっかりと見定めて、肘の辺りを狙い自分の掌をぶつけた。
ちょっと細工はしてありますけどね。
敵の腕は大きく弾かれて、針の形をしたいくつもの石が飛散する。
そのまま私は、目の前に立つ敵の腹部辺りに拳を叩き込んだ。
あくびが出るほど、隙だらけです。
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