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この消しゴムの能力は、刃物を研ぐ様に空気を削り、硬質化させて盾の代わりとなってくれます。
能力によって削った空気の強度は、鋼鉄の何倍もの硬さを誇ります。
敵は数メートル先の、硬質化させた空気にぶつかった。
突然、目の前に現れた壁にぶつかったような光景。
しかし、鋭い爪を光らせて、すぐに硬質化させた空気を切り裂く。
それに対して、私はすぐに消しゴムを操り、新たな壁を作り出した。
ガッコ────ンと、鈍い音。
それでも敵は、すぐに壁を切り裂く。
眼前に迫った敵。私と視線が交わりました。
敵は、今度は確実に私を狙って爪を振り上げます。
「残念」
私は、すかさずホッチキスを操りました。
狙いはここですから。
等身大のホッチキスが、敵の体を挟んですぐに芯を打ちます。
バツン──と音が鳴ると、敵はホッチキスが打った拘束具に身を捕らわれました。
体に穴を開けて、針金が身動きを奪う。
この芯に打たれたら、もうお仕舞いです。
残念ですね。
私の七つ文房具は、実は近距離戦が最も得意とするのです。
悪魔に姿を変えた時は、もしかしたら手こずるかと思いましたが、意外に大したことはありませんでしたね。
仕上げです。
私は、カッターを操った。
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