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俺は右手を大きく引いて魂力を込めると、槍投げの如く光刀をミケランジェロに向けて放った。
ゴーストボディを使用しているミケランジェロは光の属性に弱い。
投げ放った光刀は一瞬でミケランジェロの元へ辿り着き、背後から足首を貫く。
痛みに反応して僅かに動きを止めた一瞬の隙を見計らい、俺はミケランジェロとの距離を詰めた。
その間に、手に赤い光を集中させる。
体の動きは、相変わらず水の中を泳いでいるように軽かった。
距離を詰め終えると、光刀を足首から引き抜き、俺は予め溜めておいた赤い光を奴の体にぶつけた。
焼け焦げるような匂いが鼻まで届いてくる。
それに合わせて、ミケランジェロの叫び声が辺り一帯に響き渡った。
痛いか……?
だが、俺はもっともっと辛い思いをした。
手に溜め込んだ赤い光を使い果たし、俺はミケランジェロの首元を掴んだ。
やっと終わる……。
心に灯された復讐の炎が最大限に燃え上がった。
「ま、まて!」
土の壁に視線を向けながら、恐る恐るミケランジェロは口を開いているようだった。
「僕を殺せば、人の心は手にはいらないぞ。あれは僕が作ってるのだから」
人の心を?
その言葉に、俺は動揺を隠せなかった。
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