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「ど、どうして和也さんはこの事を知っているんですか?」
ガーネットは当然ながら俺が抜け道を発見したことに疑問を持ち、その事に対してかなり動揺しているようだった。
「実は……」
時間がないながらも、俺はかぐや姫クエストでの経緯をガーネットに説明した。
話を聞き終えたガーネットは、さらに混乱した顔つきで口を開く。
「理由はわからないにしろ……。この山はかぐや姫クエストと似たフィールド……いや、ほとんど同じだからこそ抜け道がわかったってことなんですね……」
俺は黙って頷いた。
「じゃあ、この抜け道を進めば、あの高い壁の上に行けるってことじゃないですか!」
落ち着きを取り戻したのか、途端にガーネットの表情は明るくなった。
「僕、人間になれるの?」
ガーネットはピノキオの手を持ち、さらに明るい笑顔で答える。
「そう! もうすぐ人間になれるのよ! ゼペットさんもきっと喜ぶわ!」
ピノキオの手を引き、ガーネットは屈んで先に抜け道に入ろうとした。
そう。この抜け道を進めば、壁の上まで行けるはず……。
俺も腰を少し浮かして、抜け道に入ろうとした。
いや……。
「待って……」
俺は口にすると同時に腕を伸ばして、進もうとしたガーネットの手を握った。
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