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考えすぎなのだろうか?
単なる俺の思い過ごしなんだろうか?
あの時は、抜け道を通ってる最中に尾行されて、その後、与作が弓で攻撃をされたんだ。
考えすぎと言えば、それまでかもしれない。
第一にかぐや姫クエストは、結ばれはしなかったがちゃんとクリアの表示がされていた。
どんな道を辿ったとしても、用意されているのはあのエンディングだったのかもしれない。
でも、あの時に誰か一人が皆と同じ条件で崖を登ろうと言っていたら?
そして、頂上で待っていた蓬莱の玉の枝を手に入れていたとしたら?
与作は確かにかぐや姫の幼なじみであったおかげで、他の者が知らない抜け道の存在を知っていた。
俺たちは、かぐや姫が出した結婚の条件は、与作が一番に手に入る様にした優しさだと解釈したんだ。
ただし、それはあくまでもかぐや姫というキャラクターの視点で立った時に考えた想いにしかすぎない。
製作者の意図は全く別だ。
この道は罠かもしれない。
そんな疑心が全身に満たされていた。
『君の考えが正しいとしたら、製作者はとことん平等を好む邪道な人間だな。だが何故だろう。私は君のその考えにものすごく共感を持てる』
無駄かもしれないけど、試してみるか……。
俺はガーネットの手を離し、道端に落ちている拳ほどの大きさをした石を拾った。
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