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『ミケランジェロを見て気づくことは?』
光刀は、落ち着いた声色で語りかけてくる。
俺は、ミケランジェロと対峙して警戒しながら考えてみた。
奴は能力を使って、足を幽霊のようにして浮いている。
まず、怪我を負っていることかな……。
ジャネットとマイケルが負わせたのだろうか?
放っておけば命に関わるぐらいの怪我だ……。
にも関わらず、ティーポットを使って治療はしていない。
『そうだな。傷を治療しないのはおかしいな。もしかしたら、あの能力を使えないほど体内エネルギーを消費している可能性はあるがな。もし、そうだとしたなら私としては、長期戦を覚悟の上で相手の体力を徐々に削っていくのが得策だと思うのだが……』
ミケランジェロが足をゴーストボディさせて浮いてはいるが、幽霊化を最小限に抑えているのは光刀を警戒しているからだろう。
俺はミケランジェロをよく見据えた。
ミケランジェロは攻撃を仕掛けようと一瞬、判断に迷ったのか肩をピクリとさせた。
しかし、目が合ってタイミングを変えようとしたのか攻撃を仕掛けてこない。
『おそらく、敵は怪我を負っていたとしても君より速いと思う。だからこそ……』
見据える奴の首元。
いや………。
次の瞬間、俺はミケランジェロとの距離を一歩で詰めて首元を掴んだ。
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