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押し潰して地に沈んだミケランジェロは、すかさず全身をゴーストボディ化させてスルリと抜けた。
「はは……。少し驚いたよ……うん。うん」
地面に接触した瞬間に、直撃部分から幽霊にしてダメージを軽減させたか。
だが、ミケランジェロの首もとにはしっかりと握り締めた跡がついていた。
『しかし、驚いたな。君が私の力を強制的に利用するなんて』
強制的に?
そんなつもりはなかったけど……。
今は腕に密集していた白煙が、普段と同じ様に体に纏わりついている。
「何故……。レッドキングダムの王の力を……。アイツも持っていたのに……」
ミケランジェロは独り言のように話を続けた。
「いや……そんなことはどうでもいい……。その力を手に入れられれば……私はもう一度、世界の王の補佐に……」
ミケランジェロは挙動不審となり、目は焦点が合っていない。
すると、ミケランジェロは能力を放つ際の独特の雰囲気を醸し出した。
「その能力さえ得ることができれば……」
ミケランジェロの手に現れたのは、鋭利な小さいナイフ。
だが、そのナイフからは異常なまでの禍々しさを放っている。
あれは何だ?
ナイフには血の跡がどっぷりとついていた。
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