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ミケランジェロは、手に持つナイフを何度か振り回しながら話し続ける。
「このナイフはねー。自分の能力の中で最も有効的かつ高い技術力を持ち合わせているんだ。ナイフが能力を奪ってくれるんだよ。今まで欲しい能力は、全て奪ってきた……。そうそう。僕は君をよく知っているんだ。うん。初めて君を知ったのは……」
焦点が合わず、明らかに異常な眼差しのミケランジェロ。
急に口数が多くなった気がする。
「まさか……。レッドキングダムの王の能力の継承者だとは……。」
ケタケタと笑い、ゆっくりと俺との距離を狭めてくる。
「一発逆転とは、まさにこの事。本当に素晴らしいよ。君は。僕がドラマ的に世界王補佐の地位に戻れる大きなきっかけを作り出してくれたのだから……。だから、死ぬ前に君に全てを教えてあげる……」
ミケランジェロは、ナイフを持っていないもう片方の手を肩の位置まであげた。
その直後、ミケランジェロの真横の空間が歪み出し、黒い穴が形成されていく。
始めは小さかった穴が徐々に大きくなり始める。
「これはねー、僕の研究所と繋がる連絡口なんだ。うん。うん。君にまずこれを見せるのが早いと思ってね……」
ミケランジェロが作り出した黒い穴の奥に、何かが見え始めた。
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