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赤い光と黒い光が放たれて、乱れながら強烈に輝く。
さらに口元からは、まるで水中にいるかのように大量の気泡が空へと浮かんでいった。
不思議な感覚だった。
体が水の中にいるみたいだ。
ミケランジェロはゴーストボディで体を浮かせて、俺から距離をとり始めた。
時間稼ぎのつもりなのだろうか?
それにしてもミケランジェロは、信じられないほどに動きがとろい。
『この力は危険だ。命そのものを燃やして力を生み出している。長く使えば君の命に関わるぞ』
今、この場で奴を倒すんだ。
そして、はるかを取り戻すんだ。
あんな……酷いことをしておかれて。
「男なら黙ってられるか」
俺は足の裏に力を入れて、次の瞬間、大きく跳んだ。
体は信じられないぐらいに軽い。
すかさず、宙を浮きながら離れていこうとしているミケランジェロの背後に回りこんだ。
ミケランジェロは反応を見せて、僅かに振り返りって俺に視線を向けるが、その行動さえもひどく遅かった。
全身から放たれる赤い光に、何かはわからないが泉のように溢れてくる力を注ぎ込む。
その赤い光は、自分の思うままに操れた。
「沈め……!」
赤い光が大きく広がり、殴り付けるようにミケランジェロを地に叩き落とす。
地に激突すると、轟音を奏でて砂塵が広く舞った。
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