人の心-2

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俺はすぐに、ミケランジェロが沈んだ辺りを狙って着地した。 覗き込んで確認するが、地の割れ目の中心地に奴の姿はない。 そうか。失敗した。 ゴーストボディを使って、土の中を移動しているのか……。 あの能力は幽体化させることが出来るから、こんな使い方もできるのか。 湧き上がる殺意とは別に、恐ろしいほど冷静な自分がいた。 『どうするんだ? 時間を稼がれたら、こっちの身がもたないぞ』 大丈夫。 俺は目を閉じて、張り巡らせた全身の神経に魂力を行き渡らせた。 耳で音を聴くように、全神経を集中させて辺りの様子を探る。 「…………」 いた……。 土の中を動く心力。 ゴーストボディを使用しているせいで、気配は消せても体内エネルギーが漏れている。 他に生物がいるはずがないおかげか、答えは考えなくても明らかだった。 今度は黒い光。 全身から放たれる黒い光を、右の手の平に掻き集める。 俺は魚を手で捕まえるように通過点を予測して移動すると、黒い光を纏った拳を握り締めて、地面を全力で殴りつけた。 地面は抉るように穴が開いて、大きな土の塊が散る。 地面の底には、ゴーストボディを使用したミケランジェロがいた。 ミケランジェロは、再び土の中に潜り込むため逃亡を謀ろうとする。 逃がさない……!
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