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「和也さん! 行ってください! あとは私たちが何とか食い止めます!」
同じくミケランジェロから距離をとったガーネットが、視線をこっちには向けずに言ってきた。
「こいつとは私が一対一で戦う。三人は先に行け」
すると、ジャネットが俺とミケランジェロの間に立つように移動して静かに呟いた。
ミケランジェロがティーポットを宙に投げる。
そして、残ったもう片方の手を使い切断された腕を拾うと、宙に浮いたティーポットからは七色の水が流れて治療を始めた。
「先で何が起こるかわからない。だから、ここは私に任せろ。先に行け」
ジャネットは頑として、その意見を曲げない意思を伝えてくる。
「でも、一人じゃ無……」
「いいから行け!」
初めて聞くジャネットの怒鳴り声。
それに追い払われるように、俺は山の方に向かって足を動かし始める。
「すまない。ジャネット! すぐにピノキオを希望の丘へ連れていくから」
次にマイケルが走り始めた。
最後に、ガーネットが渋々に走り始める。
背後から聞こえてくるジャネットの声。
「さぁ 仕事の時間だ」
急がなくちゃいけない。
ジャネットが殺られる前に……。
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