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「はあ はぁ はあ」
息が切れてきた。
ガーネットとピノキオと共に、あれから一時間ほど登り続けていた。
山頂は未だに姿を現す気配がない。
雲で隠されているせいもあるかもしれないが、それ以上にあとどれくらい登れば辿り着くのかが知りたかった。
この山は一体、どれほどの高さなんだろうか?
レッドキングダムの領地の近くに建っていたオリンポスの山も同じ様な高さなんじゃないだろうか?
それに段々と道が険しくなってきている。
疲労以外にも、焦りからか苛立ちも募っていた。
ピノキオを背負い、山道をひたすら駆けていく。
時々、後ろを振り返るが追っ手が来る様子はない。
ただ、雲の中に突入したのか視界が非常に悪くなり、下の方は既に見えなくなっている。
「くそっ……」
高低差があるせいか察知するのが難しく、ジャネットとマイケルの命力を感じることができない。
それとも……もう。
大丈夫だ。信じろ。
一歩進むごとに必ず山頂は近づいているはずだ。
「和也さん……あれ」
そんな中、一歩後ろを歩きピノキオを支えてくれていたガーネットが、唖然とした表情で前方を指差した。
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