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─────渋谷和也─────
船は行きと同じぐらいの時間をかけて、マニーゴッドに到着した。
時刻は夜10時。
船が錨を降ろすと同時に、ジャネットは甲板から飛び降りて港に着地した。
俺はガーネットを担いで、船と港を繋ぐ階段を降りてマニーゴッドの地に降り立つ。
そんなに長い月日が経ったわけじゃないが、何だか随分と懐かしい気がする。
来た時と同じく港は6番ステーションだった。
俺たちが降り終えると、それを見計らうかのように無人の船はすぐに出港する。
ジャネットは、到着するなり、DIMを取り出してどこかに電話をかけ始めた。
電話の相手はすぐに出たのか、ジャネットはほぼ間を置かずに喋り始める。
「マニーゴッド6番ステーションに着いたぞ。お前の仲間が重傷だ。カジノ?」
電話の相手は、だいたい想像がついた。
「そうだ。ガーネットって女だ。片方の手首を失ったからな」
言い終えると同時に、俺たちの前に誰かが姿を現す。
「大丈夫ですか!?」
瞬間移動の能力だった。
目の前に現れた天草総長。
話を聞いて飛んでくるとはまさにこの事で、天草総長は一瞬でここまで来たんだ。
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