唐突な不穏

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バーナードさんは、俺に返事をする間も与えずに喋り続ける。 「コロシアムは、マニーゴッドの目玉と言ってもいいほど人気のあるギャンブルなんだが、簡単に説明をするとプレイヤー同士が戦うトーナメントみたいなものだ。客はどのプレイヤーが勝つか賭けたりするゲームなんだが……」 そこでバーナードさんは話を区切り、さらに喋り続けた。 「まあ、コロシアムの細かい話はおいておくが、君がピノキオクエストに行った3日後にコロシアムの覇者が誕生したんだ。話しただけじゃ伝わらないかもしれないが、これは凄いことなんだ」 俺は黙ったまま何度も頷き、バーナードさんの話に耳を傾けた。 「しかし、そいつがとんでもない奴だった。その次の日には、マニーゴッド内の犯罪者たちを全員虐殺し、さらには不正を行っていた者も全員殺したんだ」 「犯罪者や不正を行っていた者?」 「そうだ。いいか? こんな町だ。色々な人間がいて町が成り立つ。VIP区域に家を持つ人間も沢山いるしな。町を出ていく人間も増えたし、外出を控えている人間もいる。これが今、町全体の問題に発展しているんだよ」 俺はある不安が過った。 まさか、天草総長じゃないよな? 「名はシャルキー。とんでもない化物みたいな能力を持った奴だよ。首が吹っ飛ぶんだ。かつて存在したメビウス輪のリーダーの能力にそっくりだから、これがまた大騒ぎ」 そこまで話すと、バーナードさんは息をついた。
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