繋ぐ心 結ばれない絆 戻らない過去

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勝算はある。見る限り、闇刀の属性は闇のはずだ。 闇ならば、ミケランジェロの時と同様に光に弱いはず。 いくらレベルが高いとはいえ、これから勝機はあるはずだ。 「   遅いよ」 構えようとした瞬間、俺の目の前で優くんは腰を落として刀を下に向けて構えていた。 声が遅れて聞こえてくるかのような錯覚。 「なっ」 慌てて一歩後ろへ退くと、下から真上へ突き上げられた刃が寸前のとこで目の前を通過した。 飛び散る黒い炎の火の粉。この炎……。普通じゃない。 俺は、さらに後ろへ退く。 突き上げた刀を引いて、優くんは再び構えた。 かに見えた。 「──!」 優君は、そのまま刀を槍の様に投げ放ってきた。 黒煙、黒炎を纏いながら、迫りくる漆黒の刀。 『左に三歩!』 光刀の指示に従い、俺はすぐさま左側へ足を運ばせた。 なるほど。左側に避ければ、右手に刀を持っているため、何かしらは対処できるってことか……。 真横を通り過ぎていく闇刀。 「和也くん。君の力はこんなものなのかい?」 全身に寒気が走った。 俺の左側には優くんが立っていた。 いつ動いたのかわからないが、それ以上に驚いたのは、俺が左側へ避けると予想していなければ、こんなことはできないはずだ。 優くんは軽く手をあげると、至近距離で炎を放った。
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