繋ぐ心 結ばれない絆 戻らない過去

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至近距離で立っていたため、避ける余裕すらなく、優君はまともに命力による攻撃を喰らう。 優君の体は浮き上がり、何メートルか先までぶっ飛んだ。 俺はその間に立ち上がり、体勢を整える。 優君は攻撃を喰らったかに見えたが、闇刀で上手く防いでいた。 光は闇に強いはず……。 それで無傷かよ。 予想外だった。まさか、今の攻撃で無傷だとは思わなかった。 再び迎える対峙。 黒い炎と黒煙が優君を取り巻く。 直ぐ様、俺は命力を放出した。 『Desire Water』 白煙と光刀が白い水に変化し、俺の体と一体化していく。 これで火傷は防げるはず……。 それどころか、炎に対抗できるはず。 光を合わせながら攻撃を行えば、優君にとってはかなり不利になるはずだ。 俺は自分自身の手を刃に変化させた。 命力を濃厚に含んだ水を纏わせる。 刃を構えて、動き出そうとした時。 優君は、意味深に闇刀を構えた。 「和也くん。僕と君が持つ刀は兄弟みたいなものなんだ」 闇刀が弾けるように飛び散り、水となって優君と一体化し始める。 黒煙も同様に吸い付くように優君に集まると、水へ変化した。 「それは……」 「そう。君と同じ技だよ」 ただ優君が纏う水は、心の色を表すかの如く、どす黒かった。
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