495人が本棚に入れています
本棚に追加
至近距離で立っていたため、避ける余裕すらなく、優君はまともに命力による攻撃を喰らう。
優君の体は浮き上がり、何メートルか先までぶっ飛んだ。
俺はその間に立ち上がり、体勢を整える。
優君は攻撃を喰らったかに見えたが、闇刀で上手く防いでいた。
光は闇に強いはず……。
それで無傷かよ。
予想外だった。まさか、今の攻撃で無傷だとは思わなかった。
再び迎える対峙。
黒い炎と黒煙が優君を取り巻く。
直ぐ様、俺は命力を放出した。
『Desire Water』
白煙と光刀が白い水に変化し、俺の体と一体化していく。
これで火傷は防げるはず……。
それどころか、炎に対抗できるはず。
光を合わせながら攻撃を行えば、優君にとってはかなり不利になるはずだ。
俺は自分自身の手を刃に変化させた。
命力を濃厚に含んだ水を纏わせる。
刃を構えて、動き出そうとした時。
優君は、意味深に闇刀を構えた。
「和也くん。僕と君が持つ刀は兄弟みたいなものなんだ」
闇刀が弾けるように飛び散り、水となって優君と一体化し始める。
黒煙も同様に吸い付くように優君に集まると、水へ変化した。
「それは……」
「そう。君と同じ技だよ」
ただ優君が纏う水は、心の色を表すかの如く、どす黒かった。
最初のコメントを投稿しよう!