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自分の手の平に光が集まり、電光が輝きを放つ。
赤い光と黒い光が放たれて、乱れながら強烈に暴れ始めた。
口元からは、まるで水中にいるかのように大量の気泡が空へと浮かんでいく。
二度目でも、慣れない不思議な感覚。
体が水の中にいるみたいだ。
「そ……それは……」
優君が一歩後ろへ退く。
「どうして和也君が……」
『気をつけろよ。この技は体への負担を考えると危険だ』
優くんは狼狽えながらも、闇刀を構えて切っ先を俺に向けた。
「リミットタイム……。魂力を使えるのは不思議なことじゃない。でも……どうしてその力を……」
俺は一歩前へ出て近づいた。
攻撃的な光が、優君を敵視する。
「おかしい。リミットタイムを引き起こしているのは魂力だけじゃない。何故、レッドキングダムの王の力が和也くんの体の中に……」
レッドキングダム……?
王?
そんなのはどうでもいい。
優君を止めるんだ。
俺の手で。
優君の体からは炎が放たれて、闇と混じり、再び黒色に変わる。
その直後、赤い稲光がより強く輝き、優君を襲った。
真っ赤に染まる視界。
俺は足を動かして、優君と距離を詰めた。
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