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─────羽柴ルイ─────
「んで。結果的には何でこんなことしたの?」
マニーゴッド内。あたしの家。
せっかくの休暇が、シャルキーのせいでめちゃくちゃだ。
コロシアムの制覇だけならまだしも、こいつはマニーゴッド内の犯罪者を全て抹殺した。
空は、今まで大人しかったシャルキーがこんなことを始めたことで、かなり戸惑っている。
マニーゴッド内もシャルキーのせいで活気を失っているのは明らかで、ピリピリとした空気が街全体に漂っていた。
こんな大事になるなんて……。
マジで後悔している。
迷ったあげく、あたしはシャルキー暴走の話を天海に報告をしたんだ。
そして、ついさっき天海から返ってきたメールの文面の中には驚愕的なことが書かれていたんだ。
「そうねえ。何でこんなことをしたのかしら」
おい。おい。
そう突っ込みたくなる気持ちを抑えて、あたしはシャルキーの新しい能力について話し始めた。
「そのインジェクションさあ、かなり前に盗んだやつだよな」
シャルキーは黙って頷いた。
触れてもいないのに人を吹き飛ばす能力。
まさか、“あの時”のことでこんな結果をもたらすとは……。
今、シャルキーはメビウスの輪の神と同じ様なことをしようとしている。
答えはそこにあるんだよな。
あたしは頭の中でこれから話すことを整理すると、ゆっくり口を開いた。
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