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しかし、このスキルインジェクションには予想外の副作用みたいなものが含まれていたんだ。
この能力は絶大な力を有する。
その力に溺れて自分が見失わないよう、あるプログラムが施されていた。
それが、極端に歪んだ正義の心。
黒田が意図して組んだに違いないが、ここまでだとは予想していなかったんじゃないか?
おそらく黒田は、自分を見失わないようにするぐらいにしか考えていなかったはずだ。
しかし、この副作用がメビウスの輪の神に、大きな変化をもたらしてしまった。
メビウスの輪の神は、ある意味で成功型かもしれないけど、ブラックアウトの世界では大きすぎる正義を持ち、自分の正義とは異なる存在を許すことが出来ず、新撰組と敵対してしまった。
成功だと思うのは、自分の意思をコントロールできていたからだ。
そして……。失敗したのはシャルキー。
シャルキーは、無意識にブラックアウト内で不正を行う者や犯罪者を許せず、能力を使って殺している。
難しい話すぎてあたしの理解がなかなか追い付かないが、おそらくそんな感じだろう。
このままじゃ、うちのチームの脅威になりかねない。
シャルキーが背負ったのは、大きな病みたいなものだ。
問題解決にはどうするべきか?
「シャルキー。空」
あたしは二人を見た。
天海に提案されたアドバイスは一つ。
これしかない。
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