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「ホワイトマジックの領土に向かい、ヒカルたちと合流しよう」
「ホワイトマジック?」
すぐに空が反応した。
表情から察するに、そんな場所へ行ってどうするんだと言いたげだ。
「色々と事情があるの」
あたしは、大人が子供には教えられないと言わんばかりに空に言い放った。
「私のインジェクションの話はもういいの?」
ローブに隠されていて表情こそ見えないが、シャルキーはかなり今の話題を出したことであたしを疑っているだろう。
言わないんじゃない。
迂闊に言えないんだ。
シャルキーの能力が、あたしを悪だと判断した場合、ターゲットになりかねない。
これこそがあたしにとって脅威だ。
いや、チームにとってか。
「いやいや。素晴らしい能力を手に入れて、ヒカルも喜ぶよって話をしたかっただけだし。よし。ホワイトマジックへ行こうぜー。皆の衆」
あたしは、無理矢理、笑顔を作ってみせた。
天海から出された提案。
ホワイトマジックのリーダー、シャルアネットにシャルキーを治療してもらうためだ。
ブラックアウト内で最強の治癒系能力を極めたと謳われているシャルアネットなら、インジェクションの副作用を取り除ける方法を知っているかもしれない。
最悪、こんな危ない能力なら無くなった方がいいだろう。
「さあ。今、すぐ出発しよう」
あたしは、シャルキーと空を強引に説得してホワイトマジックへ向かうことになった。
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