ホワイトマジック【第２部】

ホワイトマジック

─────二宮龍平──────

ブラックアウト内での交通事情は、基本的には金さえ払えば、無人の船や飛行機が好きな場所へ連れてってくれるわけだが、それらが全くない場所も存在する。

飛行能力など何かしらの移動手段を持っている奴は別だが、運営委員側が意図して人を行かせないようにしている場所があるんだ。

そいつらのアジトは、そんな場所にある。

辺境の地。

人が寄りつかない場所をあえて選択して少しでも危険を減らそうって魂胆なのか、それとも単なる好みなのか。

意図は不明。

とにかく、俺はヒカルと一緒にそこへ行くことになった。

現在、ヒカルの能力である黒い星に同乗して目的地を目指している。

行き先はホワイトマジック。

俺は、用意してきたホワイトマジックのことをまとめたノートを取り出した。

水筒に入れたメロンソーダを一口。

チームの領土は、いくつもの山に囲まれた不自然な平地にあるらしい。

五芒星のうちの一チーム。

露出が高い他の五芒星に比べて、このチームは最も謎に包まれている。

ブルーダイヤモンドも同じ様な傾向にあるが、あそこが隠しているのはアジトぐらいだからな。

そう意味では、ホワイトマジックはほとんどが謎だ。