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自分が信じていた最強が負ける姿は、まるで自分を侮辱されているような気分だった。
同時に、激しい焦燥感がわきあがる。
様々な観点からのことだったが、一番はヒカルの全力が簡単に対処されてしまったこと。
神刀の力が、黒い力に喰われた?
あの最強の神刀が……?
ブラックアウト三大兵器の中でも、最強の力を誇るゼウスなんだぞ……?
神刀は、あらゆる属性に対して優位なことがわかっている。
それが、神刀の特徴のうちの一つでもあるのだから。
黒い力……少なくとも神刀よりも力は勝っているってことなの?
ヒカルは何とかバランスを立て直して、上手く地上に着地をした。
死神は追撃を行うために、人差し指の先に黒い力を集め始める。
ついさっき、ヒカルがやったのと似たような技だった。
指先に密集する黒い力は、黒い光に変わり強烈な輝きを放ち始める。
まずい……。
ヒカルは、神刀を構えて敵の攻撃を受ける素振りをした。
そんな中、私のすぐ側にいた人影が前に出ながら口を開く。
「そろそろ私も行くわ」
不気味な雰囲気。私は息を飲む。
前に出たのは、シャルキーだった。
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