455人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
自分の命と引き替えに、二宮は死神を倒した。
この爆発で死なないはずがない。
燃える物が何もないはずの荒野のあちこちで、燃え盛る炎が激しく渦巻いている。
段々と晴れゆく視界を遮る濃い煙。
先に姿を見せたのは、大地に立つ巨大なポセイドンだった。
体のあちこちにヒビが入って、今にも崩れそうなほど損傷を負っていることがここからでもわかる。
ポセイドンは、力が尽きたようによろめいて、地響きを立てて仰向けに大地に倒れた。
激しく舞う砂塵。
それら全てがおさまった時、やっと荒野一帯を見渡すことができた。
二宮と死神がいた場所を中心に、地面が大きく抉れていた。
あれほどまで強く漂っていた黒い力も、消え失せている。
その場には、何も残っていなかった。
死神の鎌さえも……。
私は能力を発動させて、パソコンを作り出した。
手元に出したパソコンが、荒野のデータ解析を始める。
「勝った……。勝ったんだ……」
隣に立つ空が、茫然としながらも小さく呟いた。
「──!」
心臓が止まりそうなほどの言葉が、パソコンの画面に表示される。
Danger。危険を示す単語だ。
最初のコメントを投稿しよう!