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「そ、そんな」
画面から視線を外して荒野を見ると……。
荒野一帯には、黒い力が放つ独特の嫌悪感が広がった。
一瞬にして血の気が引く。
再び視線を戻して、パソコンのキーボードを叩き、爆心地を画面に映し出させる。
そこには、粉々になった死神の骨が散らばっていた。
地面から噴き出すように溢れ始める黒い力。
「う、嘘だろ……」
ルイは力が抜けたように、地面に座り込む。
「信じられませんわ」
卑弥呼も同じ反応をした。
再生するように、新たに作られていく死神の体。
ポセイドンの攻撃により、黒い力が衰えた気配はない。
私の全身は、無条件にガクガクと震え始めた。
「そ、そんなのって……」
これは何かの間違いじゃないだろうか?
あっという間に、死神はさっきまでの姿を取り戻した。
元の体を取り戻した死神が手を掲げると、手の平の中には、どこからともなくあの巨大な鎌が姿を現す。
こんな奴に勝てる奴がいるはずがない……。
魂力も通用しないじゃないか……。
震える全身。
ブラックスター全員が戦意喪失するのには、十分すぎるほどの光景だった。
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