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「勝てるはずがない……勝てるはずがない」
死神は、地に倒れたポセイドンには目もくれず私たちがいる方を見てきた。
私の心が折れると同時に、追い討ちをかけるようにパソコンの画面には対処方法はなしと表示される。
もう駄目だ……。
死神は宙に浮くと、ゆっくりとこっちへ向かって動き出す。
いや……。死神が目指しているのは、私たちがいる場所ではなく、レッドキングダムだ……。
「よーし。行こうか」
正門付近に立っていたレッドキングダムのリリルが、張り切った様子でそう言った。
何なのあいつら……?
あれを見て、どうしてそんな風にしていられるの?
その様子に呆気にとられていると、メンバーのうちの一人であるシンバが、私たちに向かって口を開いた。
「次は俺たちが出るけど、構わないか?」
その質問に誰も答えずにいると、シンバはさらにこう言った。
「答えねえなら、俺たちが出るからな」
シンバから醸し出される闘志は、私たちよりも遥かに戦闘力が高いことを物語っている。
レッドキングダムのメンバーは正門から離れると、死神の元へ歩み始めた。
その一番後ろには、光刀の持ち主……。
確かに強い……。
でも……それでも、あの死神には勝てない……。
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