大切-2

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─────渋谷和也───── ポセイドンが引き起こした爆発により、あちこちで登る炎の柱が未だに燃え盛っている。 「さあて。どうするー?」 リリルさんは先頭に立ち、勇ましい足で死神が浮かぶ方向へ真っ直ぐ歩いていく。 ポセイドンが放った攻撃は、全くと言っていいほど通用しなかった。 片手に持つ巨大な鎌は、以前まで見ていた物が変形したのか、椿の花が描かれているあたりに面影が残っていた。 近づいてくる死神。 あれが仁……。 改めて間近で見ると、仁の面影は残されていない。 「レッドキングダムに近すぎる」 シンバさんは落ち着いた口調で、リリルさんに言った。 「じゃあ、まずはー」 リリルさんの身体から放出される命力。 目で見えるほどの濃い命力だった。 「吹き飛ばそうか」 警報警報警報警報警報警報警報 ※緊急警報※ 6万超えプレイヤーが、戦闘の意志を示しています 地形に大きく影響を及ぼす可能性あり ただちに周辺のプレイヤーは避難してください 警報警報警報警報警報警報警報 頭の中で警報が鳴り響くと同時に、リリルさんの前方に竜巻のような風が巻き起こった。
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