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─────渋谷和也─────
ポセイドンが引き起こした爆発により、あちこちで登る炎の柱が未だに燃え盛っている。
「さあて。どうするー?」
リリルさんは先頭に立ち、勇ましい足で死神が浮かぶ方向へ真っ直ぐ歩いていく。
ポセイドンが放った攻撃は、全くと言っていいほど通用しなかった。
片手に持つ巨大な鎌は、以前まで見ていた物が変形したのか、椿の花が描かれているあたりに面影が残っていた。
近づいてくる死神。
あれが仁……。
改めて間近で見ると、仁の面影は残されていない。
「レッドキングダムに近すぎる」
シンバさんは落ち着いた口調で、リリルさんに言った。
「じゃあ、まずはー」
リリルさんの身体から放出される命力。
目で見えるほどの濃い命力だった。
「吹き飛ばそうか」
警報警報警報警報警報警報警報
※緊急警報※
6万超えプレイヤーが、戦闘の意志を示しています
地形に大きく影響を及ぼす可能性あり
ただちに周辺のプレイヤーは避難してください
警報警報警報警報警報警報警報
頭の中で警報が鳴り響くと同時に、リリルさんの前方に竜巻のような風が巻き起こった。
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