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鎌を高く振り上げる死神。
異変が起こったのは、鎌を頂点まで上げた時だった。
バシュッ──っと奇妙な音が鳴ると同時に、死神の両手首があり得ない方向に曲がる。
何あれ……?
ヒカルと死神がいる方向へ、ゆっくりと歩むシャルキー。
まだ何も仕掛けた様子はないのに、死神に起きた異変は明らかにシャルキーがやったものだ。
シャルキーは進藤美沙が得るはずだった能力以外にも、もう一つ強力な能力を持ち合わせている。
それは、アレクサンドロスのパーサーから盗んだ能力だ。
「やっぱり私も交ぜてもらってもいい?」
シャルキーは一度立ち止まってから、ヒカルがいる方向へ視線を向けてそう言った。
「邪魔すんなよって言っても、もう仕掛けてるじゃねえか」
ヒカルは神刀を一度降ろすと、死神に視線を戻した。
折れ曲がる死神の両手首。
手の平から離れた鎌は、死神の背後へ地響きを立てて落ちる。
「そうね。ごめんなさい」
シャルキーは片手を上げて、手の平を死神に向けた。
「見える。死神さんが地に伏せる姿が……」
直後、巨大な死神の体が宙に浮いて、まるで投げられでもしたかのようにふっ飛んだ。
シャルキーってこんなに強かったの?
レベルは1万超えの警報だった。
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