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─────渋谷和也─────
俺は光刀を前に差し出した。
体を囲う球体はさらに回転を速める。
『大丈夫か? 体に負担をかけすぎじゃないか?』
アルティメットブレイクを保つには、ある程度のリスクは負うしかねえだろ。
球体から吸収した力を、全て光刀に集中させる。
俺はその場から飛び立ち、死神との距離を一気に詰めた。
光刀に集めた力を解き放ち、死神に斬りかかる。
死神は、すかさず新しい大鎌を作り出して俺の攻撃を防いだ。
鎌の刃は脆く砕け散るが、死神は指先に力を集中させて瞬時にそれを解放してきた。
ほぼ0距離からの光線。
防ぐ時間もなく、凄まじい圧迫感が襲いかかってくる。
体を囲う球体が光線を弾き飛ばすが、それにつられて俺は数メートル吹き飛ばされた。
「やるじゃねえか」
死神は間をあけることなく、さらに新たな鎌を作り出して攻撃をしてくる。
なるほどな。
俺に攻撃をさせる時間を与えないのが、奴の作戦か。
俺は大鎌の刃を掻い潜り、再び死神の懐に入った。
『これで決めろ!』
そのつもりだ!
光刀に蓄えた力を全て切っ先に集中させて、死神の体を一気に貫いた。
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