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「はぁはぁ」
その時、自分の体を覆う球体と漂う白煙が急激に弱り、俺は魂力を放出した。
アルティメットブレイクか……。
リミットタイムのおよそ10倍の魂力を消費するだけはある……。
球体を利用した自家製の魂力だけじゃ、追いつかないな……。
全身に感じる疲労感。
足元がおぼつかない。
堪えるんだ。
今ここで諦めたら、全てが無駄になる。
歪む視界。全身が悲鳴をあげていた。
早く終わりにしてくれ。
これ以上は堪えきれない。
体がそう言っているようだった。
俺は光刀を握り締めて、真っ直ぐ前を見た。
「大丈夫」
前に踏み出す足。
「大丈夫」
ここで踏ん張ったことは、必ず何かに実を結ぶはず。
意味がないことなんて、何もない。
「どうした? 死神? もう終わりか? あんまり大したことねえな」
“滑稽な姿だな 人間よ ”
「そっちこそ。さっきよりも大幅に力を失っているみたいだぞ?」
光刀で貫いた死神の胸部は、あっという間に再生されていた。
傷によるダメージは意味がないか……。
奴の力を徐々に削っていくしかないか?
だが、それだともう俺が持たない。
どうすればいい……。
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