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─────天海まみ─────
ありえない……。
渋谷和也が持つ光刀から放たれる目映い光。
その輝きは、思わず目に手の甲を当ててしまうほど。
あれが、本来の光刀の力?
だとしたら……。
私はヒカルを見た。
ヒカルは呆然とした様子で、渋谷和也を見ていた。
リミットタイムはヒカルも扱える。
でも、その上はヒカルでさえまだ到達していない領域だ。
渋谷和也はそれだけじゃなく……。
別の角度から、さらなる進化を見せた。
そう、自身のパートナーである光刀の進化。
あの光は、ヒカルの持つ神刀の“光”の部分よりも遥かな力を持っている。
闇と光の力を持つ神刀。
光刀は、神刀が持つ光の限界能力を突破したんだ。
普通で考えればありえない。
何故なら、光刀は神刀の試作品だからだ。
成功型の神刀が、一部分でも劣ることはありえないはずだ。
何故?
どうして、そんな領域に達することができたの?
まさか……神刀と光刀と闇刀には、まだ私の知らない秘密が隠されている?
「そうだよな……」
ヒカルが珍しく小さな声で呟く。
「そうこなくっちゃ、おもしろくねえ」
ヒカルは小さく笑った。
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