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白煙が漂う中で渦巻く太陽の輝き。
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一体、どこまで上がるの……?
一瞬、迷いを見せる死神だが鎌を高く掲げると光刀の持ち主に向かって高速で切りかかる。
その速さは、私の目では追えないほどだった。
構えと初動から、何となく予想して掴めるような感覚。
次の瞬間、死神が切りかかったと予想した答えが明らかになる。
「嘘……でしょ?」
光刀の持ち主……いや、渋谷和也はその場から一歩も動かずに光刀を逆さにして持っていた。
柄を逆に持ち、刃の先端が地面に向くような持ち方。
そんな形で、渋谷和也は自身を真っ二つにするかの如く襲いかかってきた鎌の刃を、いとも簡単に受け止めていた。
死神は刃を引かずに、受け止められた光刀を強く押す。
しかし、逆さに持った光刀はピクリとも動かなかった。
「おいおい。冗談だろ? もっと本気を出してくれよ」
自信に満ちたその口調は、さっきまでの渋谷和也とは別人と思えるほど。
まるで、人格が変わってしまったかのような。
渋谷和也は、華麗に死神の大鎌を凪ぎ払った。
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