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案の定、和也の性格は変わっていた。
アルティメットブレイク自体は失敗ではないが、お調子者と言えばいいのだろうか?
あの性格になると、誰も手がつけられない……。
何故、あんな人格になってしまうんだ。
「シンバさん。他の問題はー?」
俺はリリルからの問いに指を三本立てて答えた。
「二つ目。アルティメットブレイクは三分弱しかなれない」
「三分弱?」
「ああ。正確には2分54秒経過すると、通常の状態に戻る。その後、12時間程度、アルティメットブレイクを使用することはできねえ」
そう。あまりにも時間が短すぎて、とてもじゃないが実戦向きじゃない。
敵が持ちこたえたら、敗北決定だからな。
その割りには、無茶苦茶の量の魂力も使うしな。
あのお調子者の性格で、時間が限られているってのが、最もヤバいところだ。
死神は大鎌を掲げて、再び和也に斬りかかる。
和也は、二度目も華麗に受け止めて見せた。
高く掲げられる大鎌。
すると、その瞬間、和也が纏う球体状の膨大なエネルギーが動きを見せる。
キュルキュル
とイビツな音を奏でながら回転する球体。
死神はそんなことには構わず、和也に向かって斬りかかった。
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