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心力で皮膚を覆ってみたが、左腕は肘の辺りからあっさりと切断されて宙に舞った。
宙に舞う左腕を俺は残った右手で掴み、イエスから大きく距離をとる。
しかし、イエスは攻撃の手を止めることなく、一瞬にして間合いを詰めてきた。
速い……。
その速さは、俺との間合いを埋めることなど造作無いほどの軽さ。
間を詰めた時には、既に剣を構えている。
今度は、確実に命をとられる。
やるしかねえな。
対抗手段として選んだのは……。
リミットタイム。
全身から放つ赤い光と黒い光の波動が、目の前にいるイエスを吹っ飛ばした。
反動により、体勢を大きく崩したはずのイエスだが、すぐに立て直す。
身体能力、体内エネルギー、戦闘のセンス、どれをとっても、今まで戦ってきた誰より優れた力を持っている。
総合能力じゃあ、こっちが圧倒的に不利だな。
リミットタイムの力を解放した俺は、切断された左腕の治療を一瞬で済ませて、今度はこっちからイエスとの距離を詰めた。
まだイエスは、急激に上がった俺の速さを追いきれていない。
イエスの懐に潜り込んだ俺は、胴体に数十発の拳を撃ち込んだ。
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